・周期について
周期関数という言葉は物理や数学で習っていると思います。
周期とは、定期的に同じことを繰り返している現象において、 例えば、波が発生して同じ形に戻っているときの時間を言います。
例えば、sin波ではグラフ上0を起点として波が発生します。
そこから1周期目は正の値に山が出来て、負の値に山が出来るまでの時間を言います。
後の章で図でも説明しますので、参考にしてください。
・振動数
振動を表す重要な物理量として振動数が挙げられます。
これは、周期の逆数で表すことができます。
は、具体的に振動数とは何か?簡単に言えば1周期ごとに現れる山の数と考えてもらっていいでしょう。
これを計算する便利な計算方法があります(手計算ではあまり行いませんが)。
例えば、sin波の振動を10秒 計測したとします。この振動数を求めたいとき、まず、10秒の間で山(最大振幅が現れている点)の数を数えます。
さらに、山の数/10秒とすればその値が振動数です。
また、振動数は周期の逆数ですので、おのずと周期も求めることができます。 単位はHz(ヘルツ)です。
・固有周期とは
固有周期とは、建物や物が持っている固有の周期のことです。
共振の話と関連して、建物の固有周期を地震動の周期とずらすことが 重要となります。
また、固有周期は耐震工学を学ぶ際に非常に頻繁に出てきます。後で勉強する「応答スペクトル」と関係が深いので覚えてください。
ちなみに、一般的に記号はTを用います、単位は秒(s)です。
・固有円振動数とは
建物をモデル化した一質点系の振動方程式を導出する際に、固有円振動数という物理量を定義します。
固有円振動数の定義は 1秒あたり何ラジアン回転するかというものです。
固有円振動数は、「固有」とついているだけに、固有周期と関連付けられています。
・せん断質点系
初めに説明したように、モデル化では串団子のような重量を質点に集中させます。
通常、建物の床は面内剛性が高いとされているので 床の変形は一定とします。この仮定を剛床仮定と呼びます。
さらに、床は他の部材に比べて考えると重量が大きいので、そこに重量が集中している と考え、このようなモデル化をせん断質点系と呼びます。
で、一質点系とは、団子が一つの状態です。団子が二つ以上のものは多質点系と 呼んでいます。
<つづく>
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