建物によって、その構造が異なることはみなさんもご存知のことかと思います。
たとえばマンションとアパートではどうでしょうか。
マンションはアパートに比べて防音性能がしっかりとしていますし、頑丈にみえます(耐震性能が強い)。
このように、建物の構造が異なれば住まいの影響も異なってくるといえます。
重要なのは自分の住む建物構造が、どのようなメリット・デメリットを持ち合わせているのかを把握していることにあります。
戸建住宅や共同住宅によく用いられる建物構造4つのメリット・デメリットについてみていきましょう。
各建物構造のメリット・デメリット
木造
木造は4つの建物構造の中でも一番性能の低い構造です。
主に築年数の古い住宅やアパートなどに採用されています。木造は耐震性能や耐火性能、防音性能が弱いです。
しかし通気性に優れているといった利点があります。
そのため湿気がたまりにくく、冬でもカビになりにくいといった特徴があります。また家賃が安いというのも、メリットといえます。
S造(鉄骨造)
S造は柱や梁などの骨組に、鉄骨を採用した構造のことをいいます。
こちらも木造と同じく、古い住宅やアパートなどに採用されることが多いです。S造の性能ですが、木造に比べて耐震性能などが高いです。
しかし柱や梁などの骨組みで構成されているため、壁が薄いのが欠点です。防音性能には期待できないのが難点です。
また鉄骨造は2種類に分けることができます。違いは鉄骨の素材となるスチール材の「厚さ」です。
重量鉄骨造
厚みが6㎜以上のスチールを使用。ビルやマンションなどに採用されている
軽量鉄骨造
厚みが6㎜以下のスチールを使用。戸建住宅や小規模店舗などに採用されている
RC造(鉄筋コンクリート造)
RCとは「Reinforced Concrete」の略称です。
補強されたコンクリートの中に、さらに補強された鉄棒のコンクリートを埋め込んでつくられた複合材のことです。
RC造も鉄骨造と同じく、柱や梁で構成されます。
しかし、これに加えてRC造では、床や壁を鉄筋コンクリートで覆っているため、鉄骨造よりは強い構造となっています。RC造は鉄筋コンクリ―ト構造ですが、「鉄筋」と「コンクリート」それぞれの弱点を補強している点が特徴といえます。
鉄筋は引っ張る力が強いですが、熱に弱くさびやすいです。逆にコンクリートは熱に強く、引っ張る力が弱いです。両者の弱点を見事に補強し合っているRC造は、耐震性能・耐火性能・防音性能が高いといえます。
また、密閉感が強い分、通気性は弱いといえます。ファミリー層向けのマンションなどに採用されることが多いです。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
SRC造とは、RC造に鉄筋(スチール)が埋め込まれている構造のことをいい、全ての建物構造の中で一番性能の高い構造です。
SRC造はいうまでもなく、耐震性能・耐火性能・防音性能が非常に高く、高層マンションやオフィスビルなどに採用されることが多いです。
そのため家賃がかなり高いのが難点です。またRC造同様、通気性はよくありません。
最後に
建物構造には、それぞれのメリット・デメリットがあることがわかりました。ただし、これらはあくまで建物階数や地盤など材質以外が同条件の場合であり、木造建築でも「法隆寺の五重塔」のように耐震設計の見本となるような建築物も存在します。
結局のところ、「耐震等級」と呼ばれる”どのくらいの地震に耐える設計になっているか”と、「免震・制震」と呼ばれる”どれだけ地震のパワーを逃がす構造になっているのか”が重要になってくるため、構造だけで判断することがないようにしましょう。