住宅素材の規格は
住宅に使われる建材には木材、鋼材、コンクリート、石材、溶剤などがあります。
生活基盤となる住まいは安心・安全で長持ちすることが求められます。
建築に関する法律は複数存在しますが、家づくりには建築基準法が深く関わっています。
建築基準法とは安全で快適に過ごせる建物について最低限のことを定めたルールです。
時代とともに法改正を伴うこともありますが、建築基準法では建物の敷地、設備、構造、用途などが定められています。
建築基準法で住宅素材の規格について、建物の基礎、主要構造部に使用する建材はJISとJASに適合するように明文化されています。
JASは
JASとはJapan Agricultural Standardの略称で「ジャス」と呼ばれます。
食品・農林水産品の成分、性能、品位に関する規定で、国に登録認証された機関からJAS規格を満たすことが認定されると、JASマークをつけることができます。
食品・農林水産品は食べ物のイメージがありますが、建築にも関係があります。
建材として使用される木材や和室の畳はJASの対象です。
木材で規格されている内容には、乾燥材の含水率、保存処理表示、強度性能表示があります。
木材の含水率とは木に含まれる水分量のことです。
建築に使用される木材は予め乾燥して使われますが、その含水率によって建物の予後が変わります。
木の種類、心材、辺材によって含水率に差があり、20%以下にすることが望ましく、乾燥が不十分だと建築後に不具合が起こります。
木材は徐々に乾燥して収縮するため、建物の完成後に乾燥が進むと建て付けが悪くなったりゆがみが生じます。
最悪の場合、木材が変形して割れるおそれもあります。
乾燥材のメリットは建築物の強度が増し、気密性、保湿性も良くなります。
保存処理とは、木材の防腐・防虫処理のことです。
JAS規格では木材に使用する薬剤と有効成分の吸引量が定められています。
強度性能表示は目視、機械によって木材の強度を確認します。
木材の基準強度は木の種類、等級によって決まります。
JAS規格を満たした木材は品質・性能が安定しています。
JISは
JISはJapan Industrial Standardの略称で「ジス」と読みます。
正式名称の日本工業規格と呼ばれることもあります。
JISは工業製品について定められる日本国内の国家規格で、工業標準化の促進が目的です。
自由化すると無秩序で複雑化してしまう事象を取り決めることで、安全性・公正性の確保、技術革新の向上を図ります。
JISの規格数は1万を越えます。
医薬品、農薬、化学肥料、農林水産品を除く工業製品が対象で、自動車、鉄道、船舶、鉄鋼、化学、電化製品、情報処理、日用品などに幅広く適用されます。
身近にありふれた製品もJIS規格で標準化されています。
例えば乾電池や蛍光灯はサイズ、出力数が統一されているので、メーカーが異なっても製品に大きな違いはありません。
子供服にフードひもが使用されなくなったこともJIS規格が影響しています。
JISには任意の規格と強制力を伴う規格があります。
強制力を持つ場合、法規に引用されて義務づけられるため、違反すると一般的に罰則が適用されます。
現在177の法律、政令、省令などにJISが引用されています。
強制法規には土木・建築の項目があり、製図、太陽熱温水器、コンクリート、くぎ、接着剤、パーティクルボード、壁紙、ガラス用フィルムなどについて規格されています。
住まいの素材・木材はJAS(住まいは工業製品だけでは作れない)
JASとJISは対象が異なりますが、製品の品質と安全性を確保する点は共通しています。
建築分野では建築基準法により、JASとJISは必要不可欠です。
安心で快適な住まいをつくるには、素材の安全性と優れた建築技術が求められます。
日本の住まいには木材が欠かせません。
日本は豊富な森林資源を保有しています。
国土の約2/3にあたる2500万haは森林で、その4割は人工林です。
木材の自給率は低く30%強で、健全な森林サイクルを保つためには積極的に木材を利用して循環させることが大切です。
H22年に公共建築物等木材利用促進法が制定され、建物の木造化が推進されています。
2013年にはCLTがJAS規格に加わりました。
CLTとはクロス・ラミネーティッド・ティンバーの略称で、新しい木質建材として注目されるパネル板です。
CLTは1990年頃にオーストリアで普及し始めた建材で、ヨーロッパ、アメリカなどを中心に利用が広まっています。
JASは住まいに使用される素材・木材の品質の判断材量になります。
JAS規格の木材は木の種類、寸法、等級が決まっていて、日本国内であれば安定した品質の木材を入手できるので、安全性の高い住まいづくりに役立つでしょう。
<つづく>
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