建築と設備設計の関係
外観や内装のデザインを意匠設計、地震や強風耐性などを手掛ける構造設計、そして電気や水道などのインフラを担当する設備設計です。
一般的に「設計」という言葉から連想するのは意匠設計や構造設計であることが多く、設備については、それらに付随するものといったイメージかもしれません。しかし、「設備設計」は建築物を利用する人が快適に過ごせるように、また建築物がより良い形で維持されるために、室内環境、エネルギーを最適化する重要な役割があり、意匠や構造と同様にしっかりと設計される必要があります。
人体で例えるなら、意匠設計は外見や体型、構造設計は骨格や筋肉、血管や神経、内臓に相当するものが設備となります。これら「設備」がもしいい加減に設計・配置されていたらどうなるか考えていただければ、その重要さがおわかりいただけると思います。
建築物の環境性能を確保
建築物はデザイン画を書いて、プランを作り、高さ、重量に応じた建物の構造解析を行って箱を作っただけでは唯の入れ物です。
そこには十分な光を取り入れる工夫が必要であり、収容人数に応じた空調、換気システムが必須となります。
建築物のインフラ整備が設備設計の役割となり、どこに空調機械室を配置し、どんな方式で暖かい空気、冷たい空気を各居室へ届けるのかを考えます。
給排水の為の設備は建物の規模に応じてポンプアップするのか、給水管の圧力そのものでいけるか等を検討し必要な環境性能を確保します。
デザインと機能の融合
建築という仕事は意匠設計が花形だというイメージが根強いでしょう。
しかし、デザインがどれほど優れていようが、使ってみて莫大な光熱費が掛かってみたり、温熱環境が以上で暑い場所と寒い場所の差が大きく窓が1年中結露していたらどうでしょうか。
デザインと機能を融合させるために意匠設計で決まった窓の形状で本当に換気が取れるのかを確認したり、大空間の吹き抜けの天井内のスペースが大空間の空調能力に見合ったスペースになっているかを確認します。こうした設備設計の確認と調整が大胆なデザインを現実のものにしています。
建物のライフサイクルコストを最適化
建築物を新築してから、廃棄・解体されるまでに掛かる費用をライフサイクルコスト(以下LCC)と言います。
建築物を建設する時の建設費はLCCのおよそ1/4ほどであり、修繕・保守管理・水光熱費が大半を占めています。
このランニングコストに大きく影響するのが設備設計であり、施主の要望に答えて建設時にコストを削った事で修繕費が嵩んでしまってLCCが膨らんでしまった…などといった事にならないように更新しやすい機器やシステムを提案し修繕、水光熱費を最適化するのも設備設計の大切な役割です。
<つづく>
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