大工の分類
宮大工
宮大工は、神社・仏閣の建造などを行う大工です。
釘を使わずに接木を行う(引き手・継ぎ手)など、伝統的な技法により物を造ります。
寺社を「お宮さん」と言っていたので宮大工と呼ばれているそうです!
寺社大工(宮大工と同じ)は主に木造軸組工法で寺社を造る大工、町奉行、寺社奉行という行政上の自治の管轄が違うため町大工と区別されます。
いまでも宮大工といわず寺社大工という地域もあります。
ただし郊外など二つの管轄から外れる地域では明確な区別がないともいえ、このことから現代でも寺社大工と町大工を兼ねる工務店も多いです。
また郊外という空間上の制限がない場所柄と農家の顧客が主なこともあり町場と違い大断面の木材と基本となる間尺(モジュール)も比較的大きく、仕口や材料も奢ったものも多く寺社建築に近かったことも要因です。
未だに築300年程の家屋も多く存在するそうなんですよね。
家屋大工(木造大工・住宅大工・家大工)
一般的な木造住宅における木材・建材の加工・取り付け作業を行う大工です。
宮大工ではないが、木造住宅の墨付け・きざみ・建て方・屋根仕舞・外部造作・内部造作全般を取り仕切るバランスのとれた1人親方と職人を指しま、請負大工とも呼ばれ、各下請け業者の束ねも行います。
一般的に「大工さん」と親しみを込めて呼ばれるのは、この家屋大工であります。
最近の分業制により、「木」「建材(ベニヤ・塩ビシート枠)」等の造作を家屋大工・造作大工が行い、コンピュータを使った自動機械によるプレカット木材の建前を建て方大工(鳶であることが多い)が行う住宅建築が増えて、外装板・石膏ボード・断熱材のみならず、天井造作・フロア張りなども専門職が行うようにもなってきています。
また、住宅の建築を依頼する先も高度経済成長期より家屋大工から、工務店・建設会社へ移ってきているため、現在は職人を指すことが多いです。
町大工
主に木造軸組工法で家屋を造る大工(町場大工とも言われる)。
古くから日本各地では相互扶助の単位として町(町場)という共同体があり、江戸時代までは都市部の公的な自治単位として多くの権限を有していた。
都市部の庶民のまつりごとは伝統的にこの単位で行われ、その慣行が今でも残っているところも少なくないです。
こうした自治の場で町大工は冠婚葬祭の互助活動などや消火活動、祭礼(山車・神輿の作成)、橋、井戸の屋根、つるべや上水道の枡、木管や下水のどぶ板といった町内インフラストラクチャーの作成、保守などを、町鳶(とび職)と協力して担ってきた。
現代で言えば基盤を大工が作り、行事を鳶職が行ったといえる。
普請においてその町に住むものはその土地の大工を使うのが不文律でありそれをたがえる時はそれなりの理由と挨拶が欠かせなかったのです。
またこの様なことは大工に限ったことではなく町の中でお金が循環するという相互扶助でもあります。
しかし町の中でも商店や職人を積極的に贔屓にするが、不文律の拘束は弱く、町鳶、町大工などの「町」を冠する職方には我々の町の、という誇りをこめたニュアンスがある。
寺社大工と良く比較されるが、確かに工具の豊富さや砥石一つとっても寺社大工のように数百万円もするようなものを持つ者も少ないが、都市部の限られた空間と時間と予算の制約の中で技術を培ってきたのも間違いなく、築100年以上の三階建て住宅も現存する。
<つづく>
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